考え方

マニュアル活用や技術伝承・知識伝承の実態

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マニュアルは、知識や技能を伝えるためのひとつの手段。今回は少し視点を広げ「知識や技術の伝承の実態」を調査結果から見てみましょう。
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知識やノウハウの伝承の「成功率」は、わずか15%

図1は「中小製造業における標準化や技術伝承の取り組み状況」です。「うまくいっている」がわずか15%。残りの85%を「うまくいっていない」「取り組んでいない」が占めています。

図1:中小製造業における技術や技能の標準化取組状況

製造業は、あらゆる産業の中で最も「技術」や「効率」にシビアな産業の一つです。しかし、その製造業でさえこのような状況。他業界であればなおのことです。これまで、製造業以外の方にも「ノウハウを共有できていますか?」という質問を何度もしてきましたが「カンペキにできています!」と言う方にお会いしたことは、ほとんどありません。

技術や知識を伝承する「しくみ」がないまま、毎回毎回同じことを繰り返し教え、同じようなミスを繰り返す・・・。。80%以上の企業が、このような非効率な実態を抱えたままでいることが推測されます。

(参照:「中小製造業における技能・技術伝承の実態に関するアンケート調査」(2013)人工知能学会)

やっぱり「目先」のことに追われてしまうのが実態

図2は「中小企業(全般)の経営者が重視する経営課題」です。

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図2:中小企業の重視する経営課題

回答の多い順に(左から)グラフを見ていくと、売上やコストなど短期的な収益向上に影響するものへの関心は高いです。しかし、企業連携や海外展開など中長期的な課題への回答数は少なくなっています。つまり、「目先のことに追われ、将来に向けた取り組みは後手になりがち」という傾向が、顕著に現れています。

「社内体制強化」(人材育成・後継者育成)も同様です。「知識・技術の伝承は先送りされ、結局手が付けられていない」という図1の結果をはっきりと裏付けています。

(参照:「中小白書」(2013)中小企業庁)

差をつけるチャンス!

こういった傾向は、いまに始まったものではありません。なので「何年か前に取り組んだが失敗した。」「失敗したと聞いたからやっていない。」という情報が、もっともな理由として捉えられてしまいます。。しかし、そういった”過去の情報”だけで判断してよいのでしょうか?

スマートフォンやタブレット、クラウドサービスといったテクノロジー普及し始めたのは、ここ数年の話です。それらの技術が、積年の課題解決に役立つ場面も確実に増えています。

これらのグラフを見て「だからやらない」なのか?「だからやる」なのか?過去にとらわれず、現在の最新動向を察知し、将来に向けて一歩踏み出すかどうかが「差をつけられる」のか「差をつける」のかの分かれ目ではないでしょうか。