考え方

マニュアルでイチローの「後継者」を育成できるか?(後編)

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前編では、マニュアル化の効果が出にくい業務として「身体的能力が求められるもの、高度な判断が求められるもの」を挙げました。では、どのような業務がマニュアル化に向いているのでしょうか?

どこの会社にも「一郎さん」はいる

メジャーリーガーのイチロー選手だけが特別なわけではありません。どこの会社にもどこの部門にも「その人しかできない」「その人だけが知っている」ような技術や知識を持った一郎さんは必ずいます。
こういう社員の後継者育成に、マニュアルをどう活用するのが一番よいのでしょうか?

業務は3つのタイプに分類できる!

様々な業界・業種の業務がありますが、ズバリ、業務は次の3つのタイプに分類できます。

A:感覚型

知識や経験に基づく高度な判断を、感覚的(瞬間的)にする業務。

B:選択型

ある一定のパターンの中から、最適なものを選択する業務。

C:単純型

毎回同じような処理を行う業務。誰がやっても結果が変わらない業務。

例えば、営業マンであれば、商談でのやりとりなどはAですが、社内の伝票処理はCです。製造業の職人さんであれば、機械の微妙な調整はAですが、掃除や搬出作業などはCです。同じ人が行っている業務でも、細分化してみればABCに分類できます。

ひとまとめの議論は禁物

多くの場合、このABCの業務のタイプを区別することなく、ひとまとめにマニュアル化するかどうかが議論されてしまいます。前編で、マニュアル化が適さないものとしたのは、まさにAのような業務。一方で、BやCはマニュアル化が非常に適しています。

「一郎さん」の業務も同じ。単純なBやCのやり方を伝えるために、ムダに時間を費やしてはいけません。BやCはマニュアルを活用してできるだけ効率的に伝え、高度な専門性が求められるAの部分の経験を積む機会・時間を積極的に増やす。これがマニュアル向き・不向きを踏まえた最善の策と言えるでしょう。