イベントレポート

マニュアルセミナー@Apple Store 開催報告

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2014年8月26日(火)Apple Store,Ginzaにて、セミナー「ビジネスの現場を支えるiPhone、iPadを使ったマニュアル活用術」を開催いたしました。asg1

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Teachme Bizのご紹介(株式会社スタディスト 取締役 庄司啓太郎)

はじめに、マニュアル作成・共有サービスTeachme Bizの概要をスタディスト庄司よりお話しました。写真を撮影して文字を入力するだけで簡単にマニュアルが作成できるというデモンストレーションの他、業種・業界・規模問わず導入いただいているケースが増えていることを説明いたしました。

飲食店での活用事例(株式会社ゲイト 代表取締役 五月女圭一様)

asg4続いて、株式会社ゲイト五月女様より、活用に至った経緯などを詳しくお話いただきました。

五月女:現在約20店舗を運営していますが、iphoneとipadを約100台、PCを約50台近くを活用しています。今から15年ほど前、約100店舗のフランチャイズ運営に携わっていた時期がありますが、当時はFAXで売上の集計を行っていて本当に大変な思いをした記憶があります。また独立後、自社でも専用システムの開発にチャレンジしたこともありますが、結果的にうまく行きませんでした。

その頃に比べれば、今は非常に安価に高機能な端末やソリューションを活用できる時代になりました。わからなかったり困ったりすれば、Appleさんやスタディストさんが丁寧にサポートもしてくれます(笑)。ITに詳しい相談相手を社外に増やすような発想です。そういったサービスを含めて活用しない手はないと思います。

飲食店で一番重要なのは、お客様に喜んでいただくことです。店舗のスタッフがそこに集中できるようにバックアップし、メカニズムを作っていくのが本社の役割。その本社をさらにサポートしてくれるのがTeachme Bizのようなツールだと捉えて活用しています。

あと、ムダなことはできるだけやりません。例えば日報のような定型報告はしません。「今日は雨だったので客足が。。」と書かれても雨が降ったことくらい知ってますし(笑)読むのも面倒ですから。売上報告は数値のみで十分です。

従来は紙のマニュアルもありましたが、やはり文字では伝わりにくく間違いも起きやすいので、Teachme Bizのように写真で伝えられる点が便利と感じています。マニュアル作成については、本社側ではルールはあえて決めていません。現場には本社が知らないような工夫やノウハウがたくさんありますし、マニュアル作りが得意だったり好きなスタッフもいます。本社の役割は、そういうスタッフが自由に楽しみながらできるような環境づくり・雰囲気づくりと考えています。

(参考記事:ユーザーインタビュー 株式会社ゲイト様

農業での活用事例(株式会社hototo 代表取締役 水上篤様)

asg5さらに、株式会社hototo水上様より、農業法人での活用状況などをお話いただきました。

水上:当社は、農場・レストラン・ホテル・養鶏場など、生産からサービスまでを一貫して行っています。スタッフは一人何役もこなしていて、例えば朝農場で収穫して、その野菜を持ってホテルに行き、昼はホテルの受付業務を担当して、夕方に卵を収穫して帰るみたいな状態です。仕事の種類が本当に多く、年に一度しかやらない業務もあります。それらをすべて覚えるのが難しいのでマニュアル化しています。従来のようなやり方で「鍬を担いで耕す」だけではダメなので、IT化による効率化は常に意識していて「iPhoneと鍬で農業をする」ことを考えています。

最初はノートに記録しようとしましたが、誰も書いてくれませんでした(笑)。なので、まずは記録を残そうと写真をできるだけたくさん撮るようにしました。そうすれば日付や時刻はわかります。ただ、それだけでは伝わらない部分もあるので、Teachme Bizを使ってマニュアル化をしています。マニュアル作成は、ひとつ作るごとに500円支給するようにしています。中には数万円稼ぐ人も出てきましたが、一番たくさん作っているのは70歳を超えたおばあちゃんです。そういったマニュアル運用を「片手間」でできる点も大きいです。PCでやるのは無理ですから。

また、季節による人の変動が大きいのも農業の特徴だと思います。冬場は少ない人数で畑を手入れし、夏場の農繁期には収穫のために毎日新しいスタッフが入ってくるような状態です。そういう人を即戦力化する上でもマニュアルは非常に役立っています。働き始める前ににマニュアルをいくつか送付しておけば、仕事の内容をだいたい理解してもらうことはできます。

(参考記事:ユーザーインタビュー 株式会社hototo様

パネルディスカッション

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パネルディスカッションでは、スタディストが導入検討中の企業様より質問される「代表的な質問3つ」をお題として、伺いました。

1.マニュアルの適する業務/適さない業務について

庄司:導入をご検討中の方は、マニュアル化の効果を期待する一方で、マニュアル化が難しかったり、しないほうがよかったりする業務もあるのでは?とも考えられます。マニュアル化の適する業務・適さない業務について、それぞれどのような業務があるとお考えですか?

五月女:当社の場合では、適する業務はトラブル対応方法などがあると思います。トラブルはたまにしか起きないので、対処方法をすべて覚えるわけにもいきません。どうしよう困った、というときにすぐ探せる場所があるのはとても便利です。適さない業務で言えば、やはりお客様との対面の場面ではマニュアルをみるわけにもいかないですし、マニュアル化する必要もないと思います。

水上:当社も同じですね。適する業務は、たまにしかやらない業務。年に一回だけの作業も少なくないので、そういうものは記録を残す意味でもマニュアル化に適していると思います。家族で農家をやっている場合は問題ないのですが、会社として農業を営む場合はできるだけ人に業務を依存しないように誰でもできるようにしておくことを意識しています。逆に適さない業務は、接客などです。例えば、ホテルにお客様が到着された際になんと言ってお迎えするかというのは決めていません。

2.マニュアルの質と量について

庄司:「よいマニュアルを、たくさん作れるだろうか?」と懸念される企業様も多いです。質と量をどのように高めていこうとされているかお聞かせください。

五月女:質にはゴールがないと思っています。作った時点が何%というのは難しいですが、常によりよくしていくという発想が大事ですね。量でいうと、究極はゼロだと思っています(笑)が、実際には難しいのでマニュアルをたくさん作っています。

水上:質は最初30%くらいで作ってからどんどん磨いていくイメージですね。できたてのマニュアルを見ると、内容が間違っているのもありますし、中には説明文が疑問形なのもあります。「この状態になったら草を刈るか?」って聞かれても(笑)。でも、それでもいいと思っています。それをスタートにみんなで話し合ってよいものにしていくことが重要です。量については、1件500円を支払うことで作成しやすいようにとしましたが、楽しみながら増えていくようにしたいと思っています。

3.社員が使いこなすための工夫

庄司:「うちの社員に使いこなせるだろうか?」と心配される声もあります。使いこなすための工夫はされていますか?

五月女:使いこなすようにしよう、と肩肘張るから難しいのだと思います。よいもの、使えるものは自然と使われていくと思います。

水上:そうですね。言ってもなかなかそう動いてくれないので(笑)。それよりも「この役に立つマニュアルはこちら!」みたいに、普段のやりとりの中で見たくなる工夫をして、展開するようにしています。

質疑応答

1.端末は「会社からの貸与」か「私物利用」か?

五月女:会社で購入して貸与しています。理由はいくつかありますが、取引先に個人の電話番号を教えることにはプライバシー面で抵抗感があります。また、法人契約すれば通話料を大きく削減でき、端末購入費も含めたトータルのコストダウン効果も大きいです。また、業務環境整備としてアプリケーションの設定を本社で一括して行うことも重要です。個人に対し、「端末買ってください。」「このアプリケーションを設定してください。」というのでは話が進まないので、会社で必要なアプリケーションを一括設定し、その端末を渡せばあとは使うだけになります。そこまですれば、自然と使いますよ。場合によっては取引先にも端末を貸与し、業務環境を共有しています。

水上:今は各自の私物で運用していますが、お話を伺って会社貸与にすることにしました(笑)。

2.「人手不足」という問題に、どう取り組んでいるか?

五月女:社内業務を効率化して、10人必要だった仕事を6人でできるようする。そうすれば4人を他の仕事に充てられるようになります。外から人を補うだけでなく、今いる人数でどれだけ多くの仕事をできるようにするかという観点が重要だと思います。

また、効率化をする=しくみをつくるということは、結果的に働きやすい環境になって離職しにくいという側面もあります。当社では、社員にPCやiPadを持たせているので、場所や時間にとらわれずに働くことができます。

さらに、面倒だと思うことはやらないようにしています。例えば、当社には会議がありません。「会議」というものは、大半が報告に費やされるのが実態です。社内の報告のためにわざわざ資料を準備してというのは本当に時間のムダ。店舗で夜遅くまで働いているのに、月曜日に本社で定例会議を朝から晩まで、と言われても眠いですし遅刻する人もでてきます。だったら、遅刻をなくすのではなく集合しない。集合時間を決めなければ遅刻なんてありませんから(笑)その代わり、社内はチャットツールをフル活用して、出来事を即座に共有しすぐに解決するようにしています。

水上:農業は常に人手不足の状態。農繁期は人がどうしても必要になるので、外国人なども含めて人手の確保を考えています。あとは、単純作業をできるだけ自動化する意識をもっています。大型な農業機械は高価で山間部では使えないことも多いので、ITと人をうまく組み合わせた方法を探っています。将来的には、小型ロボットのようなものを活用する時代がくると思っています。

手軽に、気軽に

今回、ご登壇いただいた二社はいずれも肩肘張らず現場が自然に楽しみながらマニュアル化をされている好例でした。「マニュアル」は管理・ルールといった硬いものだというイメージがありますが、難しく考えても無理に動かそうとしてもなかなか動かないのが実態。まずはやってみる、やりながらよくしていく。それを自然体で実践されているリアルな様子を伺えて、非常に楽しいセミナーとなりました。

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